Chapter 02 · StoriesDrinkware Stories
グラスの話。
焼酎グラスから日本酒の猪口、ウォッカのショットグラス、ビールジョッキまで — 一つの酒器に込められた飲酒文化の歴史を簡潔に。
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アブサンとルーシュ — 水で濁らせて初めて完成する一杯
澄んだ緑の酒に氷水を一滴ずつ落とすと、グラスが乳白色に濁る。フランス人がルーシュと呼んだこの一瞬のために、アブサンには目盛りの刻まれたグラス、穴のあいたスプーン、水を垂らす噴水まで付いていた。緑の妖精と呼ばれ、一件の殺人で禁じられ、一世紀を経て再び濁り始めた酒と、その酒器の物語。
アイリッシュコーヒーと脚付きグラス — 1940年代、ある空港のバーで
熱いコーヒーにアイリッシュウイスキーを注ぎ、クリームをのせたアイリッシュコーヒー。この一杯と脚付きグラスは、1940年代アイルランド西部フォインズの飛行艇ターミナルで共に生まれた。シェリダンの即興と、海を渡ってビュエナ・ビスタに根づくまで。
なぜ「タンブラー」と呼ぶのか — 置けなかったグラスの話
タンブラー(tumbler)は「転ぶ」を意味する tumble から来た名だ。ところが今のタンブラーは底が厚く平らで、めったに倒れないグラスである。置けなかった杯が、なぜ最も安定したグラスの名になったのか。
ウイスキーはどう造られるか — 大麦畑から一杯まで
穀物・モルティング・ピート・糖化・発酵・蒸溜・熟成・瓶詰め。一本のウイスキーができるまでの八工程を、実際の蒸溜映像とともに一本にまとめた。シングルモルトとグレーンが分かれる地点、ピートとカスクが味を決める場所まで。
アイスワイングラス — カナダが凍った葡萄から搾る一口
ほとんどのワイングラスは香りを広げるために大きい。ところがアイスワイングラスはひときわ小さい。木にぶら下げたまま凍らせた葡萄を凍ったまま搾って得るわずかな量、冷やして飲む酒、そしてドイツが始めたワインをより寒い国が受け継いで世界最大の産地になったいきさつ——小さなグラス一つにカナダの冬が収まっている。
