トルコの人々の一日は、二つのグラスで満たされる。昼にはくびれた腰を持つ小さなチャイ(çay)グラスが手から手へと渡り、夜には細長いラク(rakı)のグラスに注がれた酒が水と出会って乳白色に濁る。どちらもガラスで、どちらも取っ手がなく、どちらもその形のなかに飲み方のすべてを抱えている。

昼のグラス:くびれた腰のチャイグラス

トルコの茶のグラスには、名前がそのまま形になった言葉がついている。インジェ・ベリ・バルダック(ince belli bardak)、直訳すれば「細い腰のグラス」だ。真ん中がくびれて入り、口でふたたび広がる、チューリップや洋ナシのような曲線。容量は100〜150mlと、普通のマグカップの半分にも満たない。

このグラスには取っ手がない。代わりにくびれた腰が取っ手の役を果たす。熱い茶はグラスの下のふくらみにたまり、指は比較的熱くない上の縁をつかむ。小さいのも意図された設計だ。少量だからこそ冷める前にさっと飲み干し、すぐにまた注げる。トルコで茶は一杯で終わる飲み物ではなく、会話が続くあいだ注ぎ足されつづける儀礼だからだ。

くびれた腰のトルコのチャイグラスに注がれた濃い紅茶

インジェ・ベリ・バルダック — 受け皿と小さなスプーン、角砂糖とともに出されるトルコのチャイグラス。透明なガラスが「ウサギの血」と呼ばれる茶の色をそのまま映す(写真:henribergius, CC BY-SA 2.0)

形がそのまま機能になる

澄んだ透明なガラスは偶然ではない。トルコでよく出た茶の色には、タヴシャン・カヌ(tavşan kanı)、つまり「ウサギの血」という名がある。薄すぎず濁りすぎない、光を通す鮮やかな赤褐色。陶磁器の器ならこの色は見えない。ガラスのグラスは、茶の濃さを目で判断する道具でもある。

茶は**チャイダンルク(çaydanlık)**と呼ばれる上下二段のポットで淹れる。上の段には濃く淹れた茶の原液、下の段には沸騰した湯が入り、二つを混ぜる比率で濃さを整える。薄ければ「アチュク(açık)」、濃ければ「コユ(koyu)」あるいは「デムリ(demli)」。同じポットから各自の好みでグラスを満たす。

グラスはいつも小さな受け皿とスプーンを伴い、角砂糖が添えられる。砂糖を茶に溶かさず、口に含んだまま茶を流し込む飲み方を**クトゥラマ(kıtlama)**と呼ぶ。これらの道具すべてが、くびれた一つのグラスを中心に組み立てられている。

興味深いのは、トルコが世界でも一人当たりの茶の消費量が最も多い国の一つだという事実だ。ところがこの茶文化は思うほど古くない。オスマン帝国時代の飲み物はコーヒーだった。第一次世界大戦後にイエメンなどコーヒーの産地を失い、コーヒー価格が高騰すると、建国後のトルコは黒海沿岸の**リゼ(Rize)**地方に茶畑をひらき、茶を国民的な飲み物へと育てた。くびれたガラスのグラスは、その転換の時代にともに標準となった。

夜のグラス:ラクと「ライオンのミルク」

水を加えて乳白色に変わったラクが注がれた細長いグラス

細長いラクのグラス(kadeh)。水を加えると透明だった酒が乳白色に濁る。トルコではこれを「ライオンのミルク(aslan sütü)」と呼ぶ(写真:Garrett Ziegler, CC BY-SA 4.0)

陽が沈むとグラスが変わる。**ラク(rakı)はブドウとアニス(香辛料)から造る約45度の蒸留酒で、トルコの国民酒だ。ラクを注ぐグラスはチャイグラスとは正反対に細長い。**背の高いこのグラスの形には、ラクの飲み方がそのまま込められている。

ラクは一気にあおる酒ではない。グラスにラクを注ぎ、同量かそれ以上の冷水を加えてから、ゆっくり長く味わう。だからグラスは細く高い。口が狭ければアニスの香りが散らずに集まり、酒の表面積が小さく冷たさが長く保たれる。たいていラクのグラスの横には水だけのグラスが別に置かれ、肴には**メゼ(meze)**と呼ばれる小皿がいくつも並ぶ。

水を加えるとなぜ濁るのか

ラクの最も劇的な瞬間は、水を加えるときだ。透明だった酒が一瞬で乳白色に濁る。トルコの人々はこの姿をアスラン・スュテュ(aslan sütü)、「ライオンのミルク」と呼ぶ。

これは魔法ではなく化学だ。ラクの香りをつくる**アネトール(anethole)はアニスに由来する成分で、アルコールにはよく溶けるが水にはほとんど溶けない。ラクの原液では高いアルコール濃度のおかげでアネトールが透明に溶けている。ところが水を注ぐとアルコール濃度が急に下がり、アネトールはもはや溶けていられず、目に見えないほど小さな油滴として現れる。この微細な滴が光を四方に散らし、濁った白に見えるのだ。かき混ぜなくてもひとりでに起こるこの現象を「ウーゾ効果(ouzo effect)」**と呼ぶ。ギリシャのウーゾ、フランスのパスティス、中東のアラックも、同じ理由で濁る。

つまり細長いラクのグラスは、単なる酒器ではなく、この変化を最もよく見せる舞台だ。透明なガラスのなかで酒が濁っていく過程を見守ることまでが、ラクを飲む体験の一部なのだ。

二つのグラスが語ること

チャイグラスラクのグラス
くびれた腰、小さく低いまっすぐ、高く、細い
取っ手なし(縁をつかむ)なし
飲み方早く飲み干し注ぎ足す水で割りゆっくり味わう
グラスが映すもの茶の色(ウサギの血)ライオンのミルクへの変化
添えもの受け皿・スプーン・角砂糖水一杯とメゼ

トルコの二つのグラスはどちらも取っ手のない透明なガラスであり、どちらも形が機能に従って作られた。昼のグラスは茶を冷める前に飲み干しまた注ぐために小さくくびれ、夜のグラスは酒をゆっくり味わいその色の変化を見守るために細く長い。どの国でも、グラスの形にはそのグラスで何をどう飲むかが刻まれている — トルコはそれを一日に二度、二つのガラスのグラスで見せてくれる。

Image Sources

トルコのチャイグラス — henribergius / Wikimedia Commons (CC BY-SA 2.0) · ラクのグラス(ライオンのミルク) — Garrett Ziegler / Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)

閲覧 いいね
Comments

コメント

最初のコメントを残してください。