アベラワーAberlour

スコットランドシングルモルトシェリー
アベラワー
設立1879
蒸留所スペイサイド · アベラワー
所有ペルノ・リカール(シーバス)
スタイルシングルモルト · ダブルカスク
バーボン + オロロソ・シェリー
代表12 · 16 · 18 · アブーナ

フランスが愛したシェリーのダブルカスク。そしてカルトのアブーナ。

アベラワーを知る人は、たいてい二つの入口から入ってくる。一つは12年ダブルカスクだ。バーボン樽とオロロソ・シェリー樽を合わせ、シェリーの甘みと柔らかさを同時に掴んだ、シェリー入門に勧めやすい一本だ。マッカランほど高くないのにシェリーの味を十分に見せてくれるので、最初のシェリー・シングルモルトとしてよく勧められる。

もう一つはアブーナだ。ゲール語で「起源」を意味する名のとおり、年数表記も加水もせず、オロロソ・シェリー樽の原酒を約60度のまま瓶詰めする。一万円台でこれほどの濃度のシェリー爆弾に出会うのは難しく、世界中に愛好家を生んだ。バッチごとに度数と味が少しずつ違い、番号を見て選んだり集めたりする人も多い。

興味深いのは、このブランドがフランスで際立って愛されたことだ。一時はフランスで最も売れるシングルモルトに数えられ、濃いシェリーの風味がフランスの食卓とよく合ったという話が付いて回る。グレン・グラントのイタリアのように、スコッチが特定の国と深く結びついたもう一つの例だ。

買う前に知っておくと良いのはアブーナのバッチ差だ。同じ名でもバッチ番号によって度数とシェリーの強さが違う。あるバッチはより甘く、あるバッチはより荒い。だから「自分が飲んだアブーナ」と「あなたが飲んだアブーナ」が別物でありうることを、推薦やレビューを読むときに頭に入れておくとよい。

香味公式・評論基準
ドライフルーツシェリーレーズンシナモンダークチョコオレンジ
用語入門者向け
シングルモルト一つの蒸留所で大麦麦芽だけから造るウイスキー。
ダブルカスクバーボン樽とシェリー樽で別々に熟成した原酒を合わせ、均衡をとる方式。
オロロソシェリー(スペインの強化ワイン)の一種。ナッツ・ドライフルーツの風味が濃い。
アブーナゲール語で「起源・根源」。年数表記なしでオロロソ・シェリー樽のみを使い、カスクストレングスでバッチごとに瓶詰めするライン。
ラインアップ・コレクション
12年 ダブルカスクバーボン+オロロソ・シェリーを合わせた看板。シェリーの甘みと柔らかさの均衡。
14・16年より長い熟成でシェリーの重さとスパイスが深まるプレミアム。
18年高熟成ライン。より丸く深いドライフルーツとオーク。
アブーナオロロソ・シェリー樽のみのカスクストレングス(約60度)。バッチごとに味が異なるカルトライン。
カスク・アナムシェリーオーク中心の年数表記なし(NAS)ライン。ゲール語で「希少な樽」。
熟成別の価値データ基準2026.6 時点
12年 ダブルカスク看板 · 入門約8,000円〜
アブーナカスクストレングス約1.3万円
18年高熟成約3.5万円〜
アブーナカルトのカスクストレングス · バッチ番号入り · シェリー爆弾約1.3万円

アベラワーの真の象徴はオークション最高額ではなくアブーナだ。一万円台で約60度のオロロソ・シェリー原酒をそのまま瓶詰めし、「価格に対して最も濃いシェリー」を求める層にカルトとなった。バッチごとに味が違うため、番号で集めるファンも多い。

価格は免税・小売の目安 · バッチごとに変動あり — 個人の試飲評価ではない

製法・特徴

アベラワーの個性はダブルカスクだ。バーボン樽(バニラ・柔らかさ)とオロロソ・シェリー樽(ドライフルーツ・スパイス)で別々に熟成した原酒を合わせ、重いが均衡のとれたシェリースタイルを造る。マッカランほどシェリー一色ではないが、バーボン中心の軽いスペイサイドとも明確に違う中間に立つ。

バーボン+シェリーの二樽バーボン樽とオロロソ・シェリー樽で別々に熟成して合わせるダブルカスクがハウススタイル。シェリーの重さとバーボンの柔らかさを同時に狙う。
アブーナというカルト年数表記なし・シェリー樽のみ・カスクストレングスで出すアブーナは、手頃なシェリー爆弾として世界的なファン層を築いた。
フランスの愛アベラワーは長くフランスで最も売れるシングルモルトの一つだった。フランス市場と際立って相性が良かった。
創業者の座右の銘設立者ジェームズ・フレミングは「言葉ではなく行いで示せ(Let the deed shaw)」を残し、今もブランドの精神として引用される。
歴史

1879年、地元の事業家ジェームズ・フレミングがスペイサイドのアベラワー村に設立。ラワー川と聖ドロスタンの泉の良い水のそばに構えた。その後何度も所有者が替わり、今はペルノ・リカール(シーバス・ブラザーズ)に属し、同社の中核となるシェリースタイルのシングルモルトになっている。

国ごとの嗜好

アベラワーは特にフランスで愛され、一時はフランス最多販売のシングルモルトに数えられた。濃いシェリーの甘みがフランスの食文化と噛み合ったと言われる。日本では12年ダブルカスクが手頃なシェリー入門として、アブーナがコスパの良いシェリー爆弾として愛好家に通る。軽い酒を求める人より、重い甘みを好む側に似合う。

似合うグラスシグネチャー

香りが重くシェリーの甘い香りが濃いので、香りを集めるチューリップ型のグラス — コピータやグレンケアン — が定石だ。12年は40度で水はほぼ要らないが、アブーナは約60度なので、水を一、二滴で香りと甘みが大きく開く。厚いタンブラーに大きな氷は濃い香りを閉じてもったいない。香りが開かなければ、ボウルを手で包んで少し温める。

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出典 · 製法・ラインアップ — aberlour.com · 製品画像 — Aberlour