アベラワーAberlour

フランスが愛したシェリーのダブルカスク。そしてカルトのアブーナ。
アベラワーを知る人は、たいてい二つの入口から入ってくる。一つは12年ダブルカスクだ。バーボン樽とオロロソ・シェリー樽を合わせ、シェリーの甘みと柔らかさを同時に掴んだ、シェリー入門に勧めやすい一本だ。マッカランほど高くないのにシェリーの味を十分に見せてくれるので、最初のシェリー・シングルモルトとしてよく勧められる。
もう一つはアブーナだ。ゲール語で「起源」を意味する名のとおり、年数表記も加水もせず、オロロソ・シェリー樽の原酒を約60度のまま瓶詰めする。一万円台でこれほどの濃度のシェリー爆弾に出会うのは難しく、世界中に愛好家を生んだ。バッチごとに度数と味が少しずつ違い、番号を見て選んだり集めたりする人も多い。
興味深いのは、このブランドがフランスで際立って愛されたことだ。一時はフランスで最も売れるシングルモルトに数えられ、濃いシェリーの風味がフランスの食卓とよく合ったという話が付いて回る。グレン・グラントのイタリアのように、スコッチが特定の国と深く結びついたもう一つの例だ。
買う前に知っておくと良いのはアブーナのバッチ差だ。同じ名でもバッチ番号によって度数とシェリーの強さが違う。あるバッチはより甘く、あるバッチはより荒い。だから「自分が飲んだアブーナ」と「あなたが飲んだアブーナ」が別物でありうることを、推薦やレビューを読むときに頭に入れておくとよい。
アベラワーの真の象徴はオークション最高額ではなくアブーナだ。一万円台で約60度のオロロソ・シェリー原酒をそのまま瓶詰めし、「価格に対して最も濃いシェリー」を求める層にカルトとなった。バッチごとに味が違うため、番号で集めるファンも多い。
価格は免税・小売の目安 · バッチごとに変動あり — 個人の試飲評価ではない
アベラワーの個性はダブルカスクだ。バーボン樽(バニラ・柔らかさ)とオロロソ・シェリー樽(ドライフルーツ・スパイス)で別々に熟成した原酒を合わせ、重いが均衡のとれたシェリースタイルを造る。マッカランほどシェリー一色ではないが、バーボン中心の軽いスペイサイドとも明確に違う中間に立つ。
1879年、地元の事業家ジェームズ・フレミングがスペイサイドのアベラワー村に設立。ラワー川と聖ドロスタンの泉の良い水のそばに構えた。その後何度も所有者が替わり、今はペルノ・リカール(シーバス・ブラザーズ)に属し、同社の中核となるシェリースタイルのシングルモルトになっている。
アベラワーは特にフランスで愛され、一時はフランス最多販売のシングルモルトに数えられた。濃いシェリーの甘みがフランスの食文化と噛み合ったと言われる。日本では12年ダブルカスクが手頃なシェリー入門として、アブーナがコスパの良いシェリー爆弾として愛好家に通る。軽い酒を求める人より、重い甘みを好む側に似合う。
香りが重くシェリーの甘い香りが濃いので、香りを集めるチューリップ型のグラス — コピータやグレンケアン — が定石だ。12年は40度で水はほぼ要らないが、アブーナは約60度なので、水を一、二滴で香りと甘みが大きく開く。厚いタンブラーに大きな氷は濃い香りを閉じてもったいない。香りが開かなければ、ボウルを手で包んで少し温める。
出典 · 製法・ラインアップ — aberlour.com · 製品画像 — Aberlour
