ベンリアックBenriach

スコットランドシングルモルトピーテッド&アンピーテッド
ベンリアック
設立1898
蒸溜所スペイサイド · エルギン
所有者ブラウンフォーマン (Brown-Forman)
スタイルピーテッド&アンピーテッド シングルモルト
バーボン + シェリー + ポートなど多重熟成
代表作オリジナル 10 · スモーキー 10 · 12 · スモーキー 12

スペイサイドの多彩な変奏曲。ピートと樽の魔術師。

ベンリアックを一言で表現するなら「スペイサイドの錬金術師」です。一般的にスペイサイドのウイスキーといえば、ザ・マッカランやグレンフィディックのように華やかで甘い「アンピーテッド(ノンピート)」を連想しますが、ベンリアックはその固定観念を覆します。ここでは、フルーティーな原酒と力強いピート原酒が並行して造られているのです。

真の強みは、30種を超える膨大なカスク(樽)アセンブリにあります。バーボンやシェリーカスクはもちろん、マルサラ、ポート、ラム、赤ワインカスクまで駆使し、異なる3〜4種類の樽で熟成された原酒を精巧に織り成す「多重熟成」を行います。マスターブレンダーのレイチェル・バリーの卓越した感覚により、この複雑な構成は散らかることなく、美しい調和の取れたアンサンブルへと結実します。

特に12年熟成の『ザ・トゥエルヴ(The Twelve)』は、ウイスキーファンの間で高コスパなデイリーモルトの筆頭として評価されています。バーボンとシェリーに加えて、ポートワインカスクの原酒を巧みに組み合わせることで、この価格帯では味わえない濃厚なベリーやプラム系の深い甘みをダイレクトに楽しむことができるためです。

もしピーテッドウイスキーの世界に足を踏み入れたいなら、『ザ・スモーキー 10』や『ザ・スモーキー 12』が素晴らしい道標になるでしょう。アイラモルトのような潮風や薬品のヨード香とは異なり、ベンリアックのスモーキーさは、森の中のキャンプファイヤーを思わせる温かみのある燻煙香の奥から、甘いハチミツやリンゴの風味が寄り添うような、親しみやすい魅力を持っています。

香味公式・評論基準
青リンゴハチミツ甘いスモークバニラドライフルーツアプリコット
用語入門者向け
シングルモルト単一の蒸溜所でモルト(大麦麦芽)のみを原料に造られたウイスキー。
スリー/フォーカスク異なる3種類または4種類の異なる樽で熟成した原酒を調和させてブレンドする製法。
フロアモルティング床に大麦を広げ、手作業で裏返しながら発芽させる伝統的な製法。
レイチェル・バリーベンリアックの現マスターブレンダー。グレンドロナックやグリャサも手掛ける稀代のブレンダー。
ラインアップ・コレクション
ザ・オリジナル 10バーボン+シェリー+バージンオーク樽熟成。果実感とハチミツの調和。
ザ・スモーキー 10バーボン+ジャマイカラム+バージンオークのピーテッド。煙の中の甘さ。
ザ・トゥエルヴ (12年)シェリー+バーボン+ポートワイン樽レシピ。濃厚なベリー感とココア。
ザ・スモーキー トゥエルヴバーボン+シェリー+マルサラワイン樽。複雑なピートと赤みの果実。
熟成別の価値データ基準2026.7 時点
ザ・オリジナル 10定番 · 入門約6,000円台
ザ・トゥエルヴシェリー&ポートの深み約7,000円台
ザ・スモーキー トゥエルヴピーテッド・プレミアム約8,000円台
ザ・トゥエルヴポート&シェリーの複雑味 · 最も複雑で甘美な12年熟成約7,000円台

ベンリアックは、多彩なフィニッシュ樽の個性を活かした熟成で高い評価を得ています。特に『ザ・トゥエルヴ(12年)』は、ポートワイン樽の恩恵による黒ブドウや濃厚なベリー系の甘みが際立ち、同価格帯のスペイサイドモルトの中で際立った複雑さを誇ります。スモーキーシリーズは、ピートの入門として最適です。

日本国内の一般的な量販店小売価格を目安に算出。

製法・特徴

ベンリアックの強みは、標準的に導入している3重熟成(スリーカスク)および4重熟成(フォーカスク)技術です。ピーテッドとアンピーテッドの2つの異なるスタイルの麦汁をベースに、30種以上のカスクライブラリを組み合わせることで、重層的な風味を形成しています。

ピートと樽の錬金術スペイサイドでありながら、アイラ島に劣らない優美なピーテッド原酒を生産し、30種以上の樽をブレンドする。
伝統のフロアモルティング現在も一部の限定リリースのために、手作業で麦芽を発芽させるフロアモルティングを行っている。
レイチェル・バリーの感性マスターブレンダーであるレイチェル・バリーの精緻なブレンディングにより、多様な樽の調和が生み出される。
沈黙の歴史1898年設立直後、1900年から1965年まで長期の閉鎖を経験したが、これが独自の大古酒ストックを守る結果となった。
歴史

1898年、ジョン・ダフによってエルギン近郊に設立されましたが、大不況の煽りを受けてわずか2年後の1900年に閉鎖。65年間の休眠を経て1965年に操業再開。2004年にビリー・ウォーカーが買収し復活を遂げた後、現在はブラウンフォーマン社の下でモダンなリブランディングを遂げました。

国ごとの嗜好

青リンゴや洋ナシを思わせる新鮮な果実味の後に、バタースコッチやハチミツの甘みが追いかけてきます。ピーテッドモルトはアイラ島特有の薬品っぽさではなく、森の焚き火のような心地よいスモーキーさと甘みが融和しており、ポートワイン由来のダークベリーの風味が特徴的です。

似合うグラスシグネチャー

繊細なフルーツ香と熟成香が特徴のため、香りを集めるグレンケアンタイプのテイスティンググラスが適しています。スモーキーシリーズを飲む際は、注いでから15分ほど置くとラム樽やワイン樽の甘みが徐々に開いていきます。

関連

出典 · 製造元公式情報 — benriachdistillery.com · 製品画像提供 — Benriach