ザ・ダルモアThe Dalmore

シェリーに寄り添うラグジュアリー・ハイランド。12尖の牡鹿を掲げるシングルモルト。
ダルモアは遠くからでもそれとわかる。瓶に付いた12分岐の角を持つ牡鹿の飾りのためだ。スコットランド貴族マッケンジー家が王を鹿から救った功で鹿の紋章を授かった、という伝説に由来する。このブランドがいかに「高級」を意識しているかを示す象徴でもある。
味わいは濃いシェリーにチョコレート、オレンジの皮が乗った重厚な甘みだ。軽い酒を探しているなら方向が合わず、デザートのようなウイスキーが好きなら合う。ここにはマスターブレンダー、リチャード・パターソンの手が大きい。「ザ・ノーズ」と呼ばれるこの人物はテイスティングのショーマンシップでも有名で、酒に物語をまとわせるのが巧みだ。
よくある疑い。「ダルモアは結局マーケティングではないか」という声がある。超高額の限定品が派手に売れるだけに出てきそうな疑いだ。半分は当たっているが、複数の樽を重ねたキング・アレクサンダー三世のような製品は構成自体がかなり興味深く、マーケティングだけで片づけるには惜しい。
入門なら12年が現実的な出発点だ。シェリーの甘みが豊かに立ち上がり、ダルモアが目指す「豊潤な」スタイルを手頃な値段で味わえる。
ダルモア62年はウイスキー・オークション史上最高額を争った一本で、十数万ポンドで取引された。名門のシェリー樽と高熟成ヴィンテージ、そしてラグジュアリーな位置づけにより、ダルモアは「コレクターのハイランド」として通る。マスターディスティラー、リチャード・パターソン(「ザ・ノーズ」)の名も後押しする。
価格は免税・小売の目安 · オークション価格は変動が大きい · 個人の試飲評価ではない
ダルモアはバーボン樽に加え、ゴンサレス・ビアスのマトゥサレム・オロロソ・シェリー樽を核に使う。その結果がオレンジ・ダークチョコ・コーヒーの濃く重厚な甘みだ。上に行くほど古いシェリー樽や複数樽の仕上げ(キング・アレクサンダー3世は六種)で香りの層を積む、シェリー中心のラグジュアリー・ハイランドだ。
1839年、ハイランドのアルネスの川辺に建てられた。12尖の牡鹿の紋章はマッケンジー家がスコットランド王を救った返礼に授かったという伝説に由来し、今はホワイト&マッカイ(フィリピンのエンペラドール傘下)が所有する。マスターディスティラーのリチャード・パターソンがブランドの顔だ。
日本でダルモアは濃いシェリーとラグジュアリーなイメージで贈答・収蔵の需要が大きい。オレンジ・チョコの重厚な甘みがマッカラン好きと通じ、牡鹿と高額ラインが与える格式が贈り物に好まれる。軽く爽やかな方より、濃く深い甘みを好む人によく合う。
濃いシェリーの甘い香りを生かすには、香りを集めるグレンケアンやコピータが定石だ。12・18年は40度台で水はほぼ不要、大きな氷では香りが閉じやすいのでストレートが向く。香りが重いぶん台座を持って落ち着かせ、開かなければボウルを包んで温める。
出典 · 製法・ラインアップ — thedalmore.com · オークション価格は変動大 · 製品画像 — The Dalmore
