グレンフィディックGlenfiddich

世界で最も売れているシングルモルト。鹿の谷で4代続く家族経営。
シングルモルトというジャンルを大衆に開いたのが、まさにグレンフィディックだ。1960〜70年代まで、ウイスキーといえばブレンデッドで、単一蒸溜所のモルトを単独で瓶詰めして輸出するという発想そのものが目新しかった。グレンフィディックがその扉を最初に押し開き、今も世界で最も売れているシングルモルトだ。
よくある誤解は「一番売れているから一番平凡だろう」だ。実際はむしろ逆に近い。最も売れるとは最も多くの人を満足させるということで、グレンフィディック12年の爽やかな洋梨とりんごの香りは、ウイスキーが強いだけの酒ではないと入門者に教える基準点の役割を果たす。
この蒸溜所はグラント家が5代にわたって直接運営している。大手酒類グループに売らず家族所有のまま残った数少ない大規模蒸溜所であることが、ブランドの誇りでもある。
おすすめは単純だ。初めてのシングルモルトなら12年。一段上がりたいなら、シェリー樽とバーボン樽を絶えず継ぎ足して使う「ソレラ」方式の15年が、価格の割に満足が大きい。
ジャネット・シード・ロバーツは創業者ウィリアム・グラントの孫娘で110歳まで生きた。彼女を記念した1955ヴィンテージ11本のうち1本が、2012年のチャリティ・オークションで9万4千ドルで落札された。とはいえグレンフィディックは、マッカランのような超高額コレクターより、誰もが手に届くコアラインで世界販売1位を守る側だ。
価格は免税・小売の目安 · オークション — 2012 NYチャリティ · 個人の試飲評価ではない
グレンフィディックはゲール語で「鹿の谷」を意味する。バーボン樽(アメリカンオーク)とシェリー樽(ヨーロピアンオーク)を併用し、爽やかな果実香の上に甘みとスパイスを重ねる。看板12年の洋梨のような香りが署名で、15年はソレラ・バットで丸く、18・21年はシェリー・ラム樽でより深くなる。
1886年、ウィリアム・グラントが家族とともに自ら石を積んで蒸留所を建て、1887年のクリスマスに最初の原酒を得た。20世紀半ば、多くのモルトがブレンデッドの原料に使われた時代に、グレンフィディックはシングルモルトをそれ自体の商品として世界市場に出し、今日のシングルモルト・カテゴリーを開いたブランドとされる。今もグラント家が所有する。
軽く果実香がはっきりしており、最初のシングルモルトとして最もよく勧められる名前だ。世界で最も売れるシングルモルトとして、日本でもバーや酒販店で手に取りやすい定番として売れ続ける。マッカランの濃いシェリーやアードベッグのピートが重いと感じる人に、爽やかな均衡が安全な出発点になる。
爽やかな果実香を生かすには、香りを集めるグレンケアンやコピータがよく合う。12年は40度で水なしのストレートで十分、香りが閉じていれば一滴で開く。軽めなのでハイボールにもよく、食前の一杯にも向く。
出典 · オークション — 2012 NYチャリティ · 製法・ラインアップ — glenfiddich.com · 製品画像 — Glenfiddich
